摂食障害の分類


摂食障害とは、その名の通り『摂食(食べること)』に障害が出てしまう『心の病気』です。

その種類は大きく分けて2つあり、体重が標準体重の80%(アメリカ精神医学会の基準では85%)あるかによって、下回れば『拒食症(神経性無食欲症)』、上回れば『過食症(神経性大食症)』に分けられます。

 

よく勘違いされやすいのですが、治そうと思って、本人や周りが無理に食事を食べさすなどのコントロールをしようとしても、一時しのぎにはなっても、善くなることはありません。

コントロールできないからこそ『病気』であり、コントロール出来ていれば、それは病気とは言えないからです。

摂食障害を患っている人に対して、間違った解釈や対応をすることは、病気の悪化を助長してしまう可能性も大いにあるので、注意が必要です。

 

反対に、できるだけ早期に適切な治療をすれば、治りが早いという統計も出ています。

摂食障害は慢性化して何年、何十年と続いてしまうことの多い病気ですが、焦らずに心と身体の問題をケアしていくことで、治すことの出来る病気なので、諦めずに「治そう!」と決意することが大切です。

 

ちなみに、私自身は完治するまでに12年掛かりましたが、その過程で何度もくじけそうになったり、心の無痛を装ったり、自暴自棄から自殺願望までも出るようになってしまっていた時期があります。

ですが、病気に向き合い、摂食障害を患いながらでも楽しみを見付け、幸せになろうという勇気を持てるようになった事が、回復を加速させる大きな要因になったことも事実です。

 

今は摂食障害でも、いつかは治る!幸せになることまで諦める必要はない!

という希望を持って、一歩を踏み出しましょう。

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拒食症:4つのタイプ


拒食症には、過食症状が無く、食べ物を拒否することで病的に痩せていく『摂食制限型』と、過食症状があって、嘔吐や下剤乱用などによって排出行動を繰り返す『過食/排出型』に分かれます。

拒食症には、以下の4つのタイプがあり、第2タイプが最も多いとされています。

 

第1タイプ:不食や摂食制限で発症。過食はしない〔摂食制限型〕

第2タイプ:不食や摂食制限で発症。過食や嘔吐を生じて低体重で慢性化〔過食/排出型〕

第3タイプ:第2タイプから体重は正常範囲内に回復し、過食症の排出型と診断される状態に移っていき長期化。

第4タイプ:第3タイプから過食しても排出行動をしなくなり、肥満に傾いていくタイプ。

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過食症:3つのタイプ


過食症には、胃がはち切れそうになるほど食べ過ぎても排出行動をしない、いわゆる『むちゃぐい障害』と、過食後に嘔吐や下剤乱用などで体重増加を食い止めようとする『過食/排出型』に分かれます。

過食症には、以下の3つのタイプがあり、第2タイプが最も多いとされています。

 

第1タイプ:過食で発症し、嘔吐や下剤乱用はしない〔むちゃぐい障害〕

第2タイプ:過食や嘔吐はあるが、体重は拒食症ほど減らず標準体重の80%以上。

第3タイプ:過食で発症し、排出行動をした後に低体重になって拒食症の過食/排出型に移行経過するタイプ。